はじめに
ポメラニアンはふわふわの被毛とクリクリの目が魅力的な小型犬で、明るく元気な性格で多くの人に愛されています。
しかしその反面、吠え癖やトイレの失敗、甘噛みなど、飼い主を悩ませる行動も見られることがあります。
「うちの子がずっと吠えている」「トイレがなかなか覚えられない」「手や服を噛んでくる」——こうした悩みは、多くのポメラニアンの飼い主が抱える共通の課題です。
この記事では、ポメラニアン特有の性格に配慮しつつ、具体的なしつけの方法を丁寧に解説します。
特に多い「吠え癖」「トイレのしつけ」「噛み癖」の3大悩みに焦点をあて、それぞれの原因や対策、そして日々の接し方のポイントまで網羅的にご紹介します。
ポメラニアンの性格としつけの基本
賢く覚えが早いが、感情の起伏が激しい
ポメラニアンは非常に頭が良く、好奇心旺盛な犬種です。
トレーニングをすぐに覚える一方で、飽きっぽさや気分のムラもあるため、しつけには「一貫性」と「タイミング」が求められます。
飼い主に依存しやすく、分離不安になりやすい
飼い主のことが大好きで、四六時中くっついていたい性格のため、放っておかれると不安になり、吠えたりいたずらをしたりと問題行動を起こすこともあります。
警戒心が強く、吠えやすい
もともと番犬気質があるため、外の音や人の気配に対して敏感に反応して吠える傾向が強いです。
適切なしつけを行わないと、「吠えること＝褒められる」と学習してしまう恐れがあります。
吠え癖のしつけ：無駄吠えの原因とやめさせ方
ポメラニアンが吠える主な理由
- インターホンや物音への警戒
- 飼い主の気を引くため
- 退屈・ストレスの発散
- 分離不安や不安感
- 他の犬や人への威嚇・要求吠え
吠え癖対策の基本方針
1.「吠えると無視される」と学習させる
吠えた時に構ってしまうと、吠えることで注目が得られると覚えてしまいます。
吠えた瞬間は目も合わせず、完全に無視するのが鉄則です。
2.吠える前のサインを観察
耳が立ち、鼻をクンクンさせ、ソワソワし始める…など、吠える前兆を見逃さず、その前に指示を出すことで「吠えなくても大丈夫」と教えられます。
3.静かにした時にしっかり褒める
吠えるのをやめた瞬間に「いい子だね」「えらいね」と笑顔で褒め、オヤツをあげることで「静かにしている＝褒められる」と学習します。
4.生活環境を整える
- 外の音を遮るカーテン
- テレビやラジオで環境音を馴染ませる
- 来客や配達員に慣れさせる社会化訓練
トイレトレーニングの進め方と失敗対策
トイレの場所を覚えさせる基本ステップ
ステップ1：ケージ内で習慣化
- 起床後、食後、遊んだ後はトイレのタイミング。
- そのタイミングでケージ内のトイレに誘導。
- 成功したらすぐに褒める。
ステップ2：室内の決まった場所でトレーニング
- ケージの外でも同じ場所にトイレシートを設置。
- ニオイを残すことで「ここがトイレ」と学習。
ステップ3：失敗したときの対応
- 叱らない（怒鳴ると逆効果）。
- トイレの場所を見直し、落ち着ける環境にする。
- 尿のニオイを残さないよう、専用の消臭スプレーで徹底消臭。
トイレの失敗が続く場合の対処
- トイレシートの大きさが合っていない可能性。
- 足を上げてする子には、L字型トイレトレーが有効。
- 室内フリーにする時間を見直す（最初はケージ中心が◎）。
噛み癖のしつけ：甘噛みと本気噛みの違い
甘噛みとは？
- 歯の生え変わり時期（3～6ヶ月）に多い
- 遊びの延長で軽く噛む行動
甘噛みをやめさせる方法
1.「痛い」としっかり声に出す
噛まれた瞬間に「痛い！」と低い声で反応し、遊びを中断します。
「噛む＝楽しい時間が終わる」と覚えさせるのが大切です。
2.噛んでもいいおもちゃを与える
家具や人を噛む代わりに咬む専用のロープトイやガムを与えるとストレス発散になります。
3.噛む前のサインを見逃さない
遊びがヒートアップしそうな時には、先手を打ってクールダウンさせましょう。
成犬になっても続く噛み癖の対策
- 不安やストレスが原因のケースもあるので生活環境や接し方を見直す。
- 問題が改善しない場合はドッグトレーナーのアドバイスを受けるのも一つの選択肢です。
正しい褒め方・叱り方のポイント
| 状況 | 褒め方・対応 | NG例 |
| トイレ成功 | 明るい声で「すごいね！」＋おやつ | 無反応・ご褒美なし |
| 吠えをやめた時 | すぐに優しく声をかける | 「まだ吠えてたでしょ！」と叱る |
| 甘噛みをやめた | 手を離してからおもちゃを渡す | 手を振り払ってびっくりさせる |
褒めるタイミングは「行動の直後」が鉄則。
1〜2秒でも遅れると、犬は何を褒められたのか分からなくなります。
日々の生活でしつけを定着させるために
1.ルーティンを作る
- ごはんの時間、トイレの時間、遊びの時間を一定に。
- 毎日のリズムを整えることで、落ち着いた行動ができるようになる。
2.コマンドを取り入れる
- 「おすわり」「待て」「おいで」などの基本的な指示語を教えておくと、問題行動の抑止にも役立つ。
- コマンド練習も遊び感覚で短時間で取り入れるのがコツ。
3.家族間でルールを統一
- 家族全員が同じルールでしつけないと、犬は混乱してしまいます。
- 「乗ってもいいソファ」「入ってもいい部屋」などを統一しましょう。
よくあるしつけの失敗例と改善ポイント
| 失敗例 | 原因 | 改善策 |
| 吠えてもつい名前を呼ぶ | 吠えたことで注目されてしまう | 無視して静かになったら声かけを |
| トイレ失敗で怒鳴る | 怖くて隠れて排泄するようになる | 失敗は叱らず静かに掃除だけする |
| 甘噛みを放置 | 遊びの一環と学習してしまう | すぐに「痛い！」とリアクション |
まとめ：ポメラニアンのしつけは「根気と愛情」で
ポメラニアンのしつけには、可愛さに流されない「一貫した対応」と、「タイミングよく褒める」ことが重要です。
小さな体に秘めたエネルギーと賢さを活かし、正しい方向に導いてあげることが飼い主の大切な役割です。
吠えるのも、噛むのも、トイレの失敗も、すべては「ちゃんと教えてほしい」というサイン。
飼い主の愛情と理解をもって接することで、ポメラニアンは確実に学び、成長してくれます。
焦らず、毎日少しずつ。
そして「楽しい時間」を共有しながら、ポメラニアンとの信頼関係を深めていきましょう。
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